よく耳にするのが「きれいな髪」という表現です。きれいな女性であるための必要条件となると、太古の昔から言われてきているのが「日本人特有のきれいな髪」ということになるわけですが、一方で、「きれいな髪」に対して「健康な髪」という考え方もまた、明確に存在していることは間違いありません。

　もちろん、「きれいな髪」と「健康な髪」とは、どこか似ているようであり、しかし結論からいえばまったく別ものであると考えることができます。そもそも「きれいな」ということばと「健康な」ということばには共通点が多くないですから、それもそのはずです。

　ただ、「きれいな髪」と「健康な髪」とが、互いにまったく無関係であるかと訊かれると、それはまたちょっと違うぞという気がします。やはり、「きれいな髪」である人はたいてい「健康な髪」であることが容易に想像できると思います。逆に、「きれいではない髪」という状況に陥ってしまったときに、多くの場合「健康な髪」ではなくなってしまっていることを意味します。ですから、厳密な意味で「きれいな髪」と「健康な髪」が同じレベルで語ることができるというわけではないですが、少なくとも「きれいか否か」という髪についての状況を語る上で、「健康か否か」ということを素通りはできないことになります。

　もちろん、互いに独立した関係である以上、「きれいな髪」は「健康でない髪」でもつくることができますが、それは表面上のきれいさであり、髪の本質的なきれいさにはつながらないのです。